会計法の見直しを急げ

国の公共契約を規律する会計法には次の規定が置かれている。

予算決算及び会計令99条の2 「契約担当官等は、競争に付しても入札者がないとき、又は再度の入札をしても落札者がないときは、随意契約によることができる。この場合においては、契約保証金及び履行期限を除くほか、最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。」

多くの読者にとっては見慣れない条文であるが、公共契約にかかわる読者にはよく知られた条文であり、行政機関を悩ませる条文の一つである。一度入札をして不成立になったり、入札を繰り返しても落札に至らなかったりした場合には随意契約に切り替えることができるが、予定価格等の重要な初期条件を変えることができない、という。

応札者が現れなかったケースの多くは、そもそも予想される予定価格(国の場合は事前に公表することができない)ではその契約に魅力を見出せなかった場合である。また、落札に至らなかったケースの多くは、応札者が予定価格をオーバーしまった場合である。どちらも、業者にとって割が合わないケースである。言い換えれば予定価格が低過ぎるケースなのである。

だから契約者を見つけるためには予定価格を上げなければならない。しかしこの規定は、それは許されないと定めている。ではどうすればよいか。

予定価格を引き上げて別の発注として、再び入札にかける。これがストレートな発想である。しかし、何度も入札を繰り返し、時間をロスすることにもなりかねない。

そして予定価格を変えずに無理して契約者を探してくることである。かつては「どこかで別の利益の出る随意契約を出すから、ここは一つ泣いて欲しい」といった貸し借りが通用したのかもしれないが、今では通用しない。さらに前、すなわち指名競争が当たり前だった頃であれば、悪条件であっても業者間で調整して誰かが受注した(不利益の分配としての談合)のだろうが、今ではそうはいかない。

緊急性が高い場合には緊急随意契約という手がある。しかしそれは例外である。

確かに公的財源からの支出である以上、それが厳格に取り扱わなければならず、できる限り(一定の品質を維持しつつ)競争的に廉価に契約することが求められる。

しかし、当初の予定価格が低過ぎたが故に落札に至らなかったケースにおいて、その範囲で受注者を探すことを求める会計法の規定には無理がある。時間的ロス、行政上のコストも勘案してより柔軟な対応ができないだろうか。この点も含めて、現行の会計法には硬直的過ぎると思われるところが少なくない。

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shigekikusunoki

研究上の関心事(独禁法、公共調達、社会思想等)社会活動(主として国や地方自治体の公共契約の監視や制度改革)、その他日頃に気なること(政治、経済、歴史、文化・風俗、教育等なんでも)や趣味(?)について色々と発信していきます。よろしくお願いします。