法律には「規制」という言葉遣いと「規正」という言葉遣いとがある。
一般には規制に馴染みがあるが、政治資金規正法のような言い方もある。
法律学者の中には好んで「規整」という言葉を使いたがる人もいる。
規制は、何かを制限すること。
規正は、改善すべき点を正すこと。
規整は、規律立てること。
法が求めるものは何か、という重要な問題だ。
文脈で使い分ける必要がある。
政治資金規正法は「規制法」の方がよいと思う。日本では「正義」が安売りされているようだから。「正せばそれでよい」という発想ではなく、政治家の資金繰りは国民の監視の下で「厳格に制御」されるべきだ。禁止に触れたら厳しいペナルティーを。
規整はいい言葉だ。独占禁止法に使う論者がいるが、これはどうか。交通整理のルールはルールがあって初めて規範性を帯びる。だから「規整」と呼んでいい。独占禁止法の場合、競争制限の禁止は、そもそも競争制限が反規範性を帯びるから禁止されるのか。企業活動を規制するのか、規正するのか、規整するのか・・・それが問題だ。