<Jan.8, 2021>
「できない理由を探すより、できることを探せ。」よく聞く言い回しだが、長短ある。自分の仕事を増やしたくない人間は大抵、新しく出てきたアイデアに否定的な要素を何とか探そうとする。公務員に多い。「今まで通り」が楽だからだし、新しいことをやって失敗したら責任を取らされるからだ。「今まで通り」で失敗したのだから私のせいではない、というエクスキューズが通用するところに問題がある。コンサルタントとか、首長とか「実績を作りたがる」人々はこういった言い回しをよく使う。あるアイデアに問題があって、修正しようがない場合にも「できない理由探すな」というならそれはただの「思考停止」だ。「戦争に勝つことだけを考えろ」の一点張りで負けてしまったどこかの国はそうだったのではないか。重要なのは「合理的」に物事を考えることであって、それ以上でもそれ以下でもない。合理的な消極姿勢は正しいし、合理的な積極姿勢も正しい。ただ、それだけのことだ。「できない理由探す」ばかりの人も、「できることを探せ」というだけの人も、私は信用しない。

北向きの書斎より
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