第三者委員会、委員弁護士の報酬

ある記事より引用。

http://news.livedoor.com/article/detail/14844970/

奥野さんは、報酬を日大からもらっているか、どうかについて質問をしているが、第三者委員会が設置の依頼主である日大から報酬を受けることには何の問題もない。ただ、その報酬の受け方が、どんな形であるかが重要で、日弁連の「第三者委員会ガイドライン」によると、「報酬は、時間制を原則とする」とあり、ただし書きとして、こう付記されてある。

「委員の著名性を利用する『ハンコ代』的な報酬は不適切な場合が多い。成功報酬型の報酬体系も、企業等が期待する調査結果を導こうとする動機につながりうるので、不適切な場合が多い」

「第三者委員会が設置の依頼主である日大から報酬を受けることには何の問題もない。」確かに何の問題もない。ただ、中立的であるかどうかは別である。

第一。報酬はいくらか。時間制とはいえ、大手事務所のパートナー弁護士のように「1時間5〜8万円」のような報酬をもらう弁護士は、中立になれるのか? それは3万でも同じ。要は「それなりの金額」を頂いている以上、クライアントのニーズは考慮するでしょう、ということ。うらを返せば、クライアントはだからその弁護士に頼んだのでしょう、となる。もちろん、そうでない稀有な場合もあるかもしれないが、中立性は担保されていないのは事実。

第二。時間制とはいわゆる「メーター制」であり、「これだけ仕事をしたのだから、これだけ頂きます」という契約だ。よくいわれる「ぐるぐるメーターをまわす」のは、法律事務所が「儲ける」スキームの典型だ。そんな(事務所を儲けさせる)報酬体系の弁護士は果たして中立になれるのか? 繰り返すが、もちろん、そうでない稀有な場合もあるかもしれないが、中立性は担保されていないのは事実。

「何の問題もない。」というのは「弁護士業務」なのだから「報酬が発生する」のは当然であり、そのもらい方として「それはやむを得ないでしょ。ボランティアじゃないから。」という類のものだ。誰かのクライアントの要請でサービスを提供しているのだから、そういうもらいかたまで否定したら成り立たないでしょ、ということ。

結論。弁護士業務の報酬として問題はないが、それは中立性を担保するものではない。単にそれだけの話。被害学生のお父さんの直感は正しい。まあ、それをいったら不祥事企業の第三者委員会はすべて怪しいが。

一つ注意。今回のケースは中立性が疑わしいが、中立性を担保するかのような体裁があってもそうでない場合もあるということ。多少知恵のある者なら、そういう「迂回経路」を辿るだろう。

 

 

投稿者:

shigekikusunoki

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