「神童」から「プロ」までの道のり

サッカーも野球もそうなのだろうが、スポーツ界におけるプロへの道のりは何と遠いことだろう。小学生(Uー12)で「神童」と呼ばれ、中学生(Uー15)で「天才」と呼ばれ、高校生(Uー18)で「怪物」と呼ばれ、やっとプロから声がかかる。プロになっても活躍する人と、不調に終わる人とが分かれてくる。怪我、故障でキャリアを断念というケースも多い。もちろん、急に「怪物」化するケースもあるだろうが、過去に他のスポーツで活躍していたとかの背景事情があることが多い。

恐ろしいのがこの「神童」「天才」「怪物」たちが常に努力を怠らず、成長のために日々悩み、試行錯誤し、工夫を凝らそうとすることだ。自分のやっていることが好きたまらないというマインドがそうさせているのだろう。

親がスポーツ選手だから子供もそれを目指す。スタートとしては「いい環境」だ。ある程度の指導も期待できるだろうし、周りにそういう環境の子供たちも多かろう。しかし、走り出したら後は本人次第だ。怠れば、途中から急成長した「神童」「天才」「怪物」たちに抜かれてしまう。

努力しない人には成功はこない。でも努力しても成功はこないかもしれない。重要なのはやり方だ。いつの間にかやり方さえうまくすれば、努力しなくても成功するという思考回路になってしまう。いや、やり方をうまくするように頭を使うことに「努力」するのだし、発見された方法を自分の身体的特徴や心理的傾向を踏まえながら実践することに向けて「努力」するのだ。通り一辺倒のことを機械的にひたすら繰り返すだけでは脳がない。「神童」「天才」「怪物」のどこかのプロセスで挫折するだろう。