「儲け話を売る」人々

投資セミナーでよくある質問が、「そんなに儲かるならば人に教えずに自分で儲ければいいのに何故しない」だそうだ。答えに窮する人もいるが、こう答える人(コンサルタント)もいるという。

私はあなた方に幸せになってもらいたいのです。

信じる信じないは人それぞれだ。この人々はもっともらしいストーリーを、それなりの証拠を揃えて示しているのであって、それが業だ。動機はどうでもよい。

美味しいレストランを紹介しようとしているのに、それなら人に教えずに自分が行けばよいというのはおかしいでしょ、と切り返す人もいるようだが、それは話の「すり替え」だ。レストランを紹介する人には、情報の格差をなくし、需給をマッチングさせる(そして人々の幸せを最大化する)機能がある。しかし投資情報は、情報の格差がなくなれば儲けがなくなる。いち早くその情報に接した人々がそのラグで儲けるのだ。その場合、情報に接した人は儲けるが、そうでない人(知らないで取引に臨んだ人)は(潜在的に)損をする人になる。人の幸せを期待するならば、なぜクローズドに(あるいは情報料を取って、あるいは売買を勧誘するチャンスを狙って)セミナーを開くのか。短期売買で儲けを出そうとする人々にとって、資本市場は全員をハッピーにするものではない。

証拠があると思えば信じればよいし、そうでなければ信じなければよい。一つ重要なことは、伝える人はリスクを取らない、ということだ。それがわかってどうするかは自分で判断すればよい。